金の密度とは?計測方法やプラチナなどの身近な金属の密度を解説
金はアクセサリーや金貨、置物などさまざまな製品に用いられています。近年は、金の相場価格が高騰しており、2024年は24金の買取価格(1gあたり)が1万円越えで高止まりしております。このような注目度の高さから、金製品の買取に興味が増えている一方、金と見せかけた偽物が増えているのも事実です。また「押し入れから古い製品が出てきたものの、金かどうかわからない」という方も多くいらっしゃいます。
金が本物か偽物かを見極める際に、参考となるのが金の密度です。この金の密度について知っていれば、自宅でも簡易的なチェックができます。この記事では、金の密度の概要や、具体的な数値、自宅でのチェック方法などを解説していきます。
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目次
金の密度とは?
金が本物か偽物かを見分けるには、金の密度を確認するのがおすすめです。
密度とは、物質の質量と体積の比率を示す物理的な量で、物質がどれくらい詰まっているかを表します。同じ体積でも、重いものは「密度が大きい」軽いものは「密度が小さい」と表現します。例えば、油が水に浮くのは、油のほうが水より軽いからです。単位は「密度=g/cm3」で表します。
金属は、種類によって密度が異なり同じ体積でも密度が違う金属であれば、重さが異なります。物質によって密度は決まっているため、密度を測定すれば本物の金かどうかや、金の品位を推測することができます。
金の密度は、本物を見分ける手段の一つになりますが、密度だけですべてが判断できるわけではありません。金の密度に近いタングステンという金属に、金メッキ加工を施した偽物の存在も報告されています。正確に金の判別をするのであれば、専用の機械で確認する必要があります。
金の密度における具体的な数値について
金の品位は24分率で表記されており、金の純度が100%のものは純金、24金、75%は18金、K18、58.5%は14金、K14などと表されます。純金以外の金には割金が混ぜられており、こうすることで、金の加工をしやすくしたり強度を高めたりすることができます。金の密度の具体的な数値は、下記のとおりです。
- 純金(24金):32g/cm3
- 18金:84~16.12g/cm3
- 14金:91~14.44g/cm3
- 10金:42~13.09g/cm3
また、金以外の金属の密度は下記のようになります。
- 銀:50g/cm3
- プラチナ:45g/cm3
- 鉄:874g/cm3
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金の密度を自宅で計測する方法とは?
金の密度は、その性質を活かすことで、自宅でも計測することができます。ここでは金の密度を自宅で計測する具体的な方法について解説していきます。
準備するもの
金の密度を計測するには、まず下記のものを準備しましょう。
- 水
- はかり
- 糸
- プラスチックのコップやボウルなどの入れ物
計測方法
金の密度の計測方法は、下記のとおりです。
- 密度を計測したい金をはかりに乗せ、重量をメモする(重量A)
- プラスチックのコップやボウルなどの入れ物に水を入れ、はかりに乗せる
- はかりの目盛りをゼロにして、金属を糸で結び②の容器に触れないように水の中にいれる
- はかりに表示された重量をメモする(重量B)
- 「金の重量A÷水の中に入れたときの重量B」を計算する
このときの数値が、金の密度の数値に近ければ近いほど、金であることの目安になります。例えば、金の重量Aが100gで、水の中に入れたときの重量Bが6gだった場合、100÷6=16.6となるため、18金の可能性が高いといえます。
しかし水の中に糸で結んだ金属を入れるといった特性上、数値にぶれがあるため、この数字だけでは確実とは言えません。自宅で計測する際には、あくまで目安として考えましょう。確実に金の品位や、本物か偽物か見極めたいという方は、専門店で計測してもらうなどの手段をとりましょう。
金の密度はどんな時に役立つ?
金製品の中には、長年使っているうちに刻印がかすれて消えてしまったり、最初から刻印がなかったりする製品もあります。金の密度の測定方法を知っていれば、金の品位がわからない場合も、ある程度自分で調べることができます。
例えば、刻印がない金製品も上記の求め方を用いれば品位を予想できます。金製品の表記がK24だったにもかかわらず、調べた結果14金の密度に近いという場合、24金よりも純度が低いことが考えられます。また、測ってみると金ではなく鉄の密度に近いということもあるかもしれません。そうした製品は表面だけ金メッキ加工が施されている製品である可能性もあります。
ただし前述の通り、この方法だけで金の純度を判定するのは難しいです。素材が金だけであればある程度目安になりますが、宝石がついた製品や他の素材を組み合わせている製品は正確な数値が出せません。また、金製の腕時計といった水に沈めることができない製品も、この方法では調べることはできません。自宅での計測は目安の一つとして考え、正確な結果がほしい場合は専門店などに依頼するとよいでしょう。
金の密度以外で金を見分ける方法
金の確認や純度を知るには、密度以外にもいくつか方法があります。ここでは密度以外で金を見分ける方法を4つご紹介します。
刻印を確認する
金製品には、基本的に金の純度を示す刻印が施されています。インゴットと呼ばれる金地金では、「999.9」「FINE GOLD」など純金であることが明記されています。金のアクセサリーには「K18」といったように刻印がされており、これは18金であることを示しています。
ただし、実際の純度と刻印されている純度が異なる製品もあります。「18K」「14K」といった「あとK」と呼ばれる金製品は、刻印の純度よりも実際の純度が低いことが多くあります。そのため、買取店でも刻印よりも低い純度の相場で計算して、買取するといった対応となる場合があります。
磁石を近づける
金には、磁石に反応しないという性質があります。これを利用して金製品に磁石を近づけて、金かどうか確認することができます。表面に金メッキ加工が施されている金属では、磁石を近づけるとくっつきます。反対に金であれば磁石を近づけても反応しないため、判断ができます。
ただし、銀やアルミニウムなどの磁石に反応しない金属に、金メッキがコーティングされていると、金ではないにもかかわらず磁石に反応しません。そのため、この判別方法だけで判断するのではなく、他の方法も組み合わせて確認する必要があります。
金の色味を確認する
金製品を見慣れている、いくつも持っているという方は、色味でチェックする方法もあります。純金の色は特徴的な黄金色をしているため、純金に近いほどオレンジ味がある色合いで、純度が下がるにつれその色が薄まり明るい黄色に近づいていきます。
もし刻印が24金であるにも関わらず、色味が薄い場合は純度が刻印よりも低い可能性があります。純度が明確にわかる金製品が手元にある場合、その製品と色味を見比べてみるとわかりやすいでしょう。ただしこちらの方法は、金に関する知識や多数の金製品を見た経験がないと、判断は難しいといえます。
試金石で確認する
試金石は、江戸時代から続く伝統的な金の確認方法です。試金石は黒い石の板で、金製品をこすりつけ、石についた金の色や濃さ、残り方などから判断します。純金であればオレンジ色に近く、純度が下がるにつれて明るい色味になります。
ただしこちらの方法は、金製品を試金石にこすりつける性質上、傷がついてしまいます。また実際に試金石を用いても、素人では判別が難しいため、大切なものや売却したいという方にはおすすめできません。興味のある方はこうしたリスクを十分理解したうえで、実践してみるのも良いでしょう。
身近な金属の密度(比重)について
金の密度をチェックした際に、金の密度に当てはまらない場合は金以外の金属である可能性があります。金の密度以外にも、身近な金属の密度(比重)についても知っておくと便利でしょう。ここでは身近にある金属の密度(比重)について解説します。
プラチナ
プラチナは、綺麗な白色と輝きが特徴の貴金属です。見た目はホワイトゴールドと似ていますが、異なる貴金属です。レアメタルと呼ばれる希少金属の一つで、金と比べても採掘量が年間20分の1程度となっています。日本では婚約指輪や結婚指輪など、ブライダルジュエリーに使われています。プラチナの密度(比重)は、下記のとおりです。
- 純度99%以上(pt999):21.24~21.66g/cm3
- 純度90%(pt900):61~20.08g/cm3
- 純度80%(pt800):56~18.72g/cm3
銀
銀は、高い熱伝導率と電気伝導率を誇る貴金属です。金と並んで古くから人間の生活に欠かせない金属として利用されてきた歴史があります。アクセサリーをはじめ、医療や工業など幅広い分野で使われています。美しい輝きがある一方、化学変化を起こしやすく変色しやすいという性質を持っています。銀の密度(比重)は下記のとおりです。
- 純度9%以上(SV1000):10.49g/cm3
- 純度5%(SV925):10.35g/cm3
- 純度80%(SV800):07g/cm3
- 純度50%(SV500):67g/cm3
銅
銅は、赤みがかった見た目が特徴の金属です。金属の中では硬度が低い部類に入り加工がしやすいため、複雑な形状の加工や精密な加工に使われることが多いです。銀についで電気伝導率が高い金属で、比較的安価なことから、日用品や工業製品などに用いられています。
湿気によって緑青と呼ばれる変色が起こるため、単体でアクセサリーに用いられることは少なく、他の金属と混ぜて使用されることが多いです。装飾品に多く用いられているレッドゴールドやピンクゴールドは、銅が用いられています。銅の密度(比重)は、8.93g/cm3です。
鉄
鉄は、私たちのもっとも身近にある金属で、デスクや椅子、家電、自動車など数多の製品で使われています。地球上でアルミニウムに次いで多い金属で、安価で炭素などの元素の含有量の制御や加工方法によって、さまざまな用途に対応できます。材料内に含まれている炭素量によって、主に純鉄と鋼と鋳鉄の3種類に分けられ、一般的に鉄と言われるものは、鋼に該当します。
優れた耐久性がある一方、錆が発生しやすいためジュエリーに使用されることはあまりなく、機械や建築材料、日用品などに使われています。鉄の密度(比重)は、7.87g/cm3です。
金の純度で買取価格に変動あり!
金は純度に応じて買取価格は異なり、基本的に金の純度が高いほうが買取価格は高価になります。買取価格は「金の純度に応じた相場 × 重量」で決まっており、同じ純度、重さの金製品でも、相場が高くなればその分買取価格も上がります。
近年は、金の相場価格が高騰しており金製品を売却するには絶好のタイミングと言われています。具体的に2019年と2023年の金の参考小売価格を比べてみると、
- 2019年:4,918円
- 2023年:8,834円
と、4年間で価格が4000円近く上昇しているのがわかります。この金の高騰がいつまで続くかの予想は難しいため、売却を検討している方はお早めの査定依頼がおすすめです。
関連リンク:https://www.sugashichiya.com/satei/gold/
金の買取は須賀質店
須賀質店では、金地金(インゴット)やコイン、置物、アクセサリーなど多数の金製品の買取を行ってきました。金の買取価格に記載している価格をもとに買取額を決めます。店頭買取では、手数料は発生せずその場で現金でお支払いします。
壊れたアクセサリーや刻印がかすれて見えない、純度がわからない金製品でも査定いたします。「売ろうか迷っている」「とりあえず値段だけ知りたい」という方も大歓迎です。まずはお気軽にお問い合わせください!
まとめ
金の密度について解説しました。金属ごとに密度は決まっているため、本物か偽物かを判断したり金の純度を調べたりといったことができます。金の密度は、簡易的な測定であれば水やはかりを使って自宅でも調べられるため、気になる方は試してみてください。ただしこの方法が確実というわけではないため、目安の一つとして考えておくと良いでしょう。
須賀質店では金製品の買取を積極的に行っているため、金の売却を検討している方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。