金の正しい保管方法とは?盗難リスクから高価な資産を守る術と注意点を紹介
近年、金の価格が上昇しており、資産の一部を金として保有するという方が増加しています。株式や債券と比べると金は安全性の高い資産と言われており、昔から「有事の金」として知られています。
しかし金を保有するうえで課題となるのが保管方法です。金を高く売るには、状態を綺麗に保ったまま保管することが重要です。金の保管は盗難のリスクをはじめ、変形や変色のリスク、場所やコストも考えなければいけません。
そこでこの記事では金の正しい保管方法をはじめ、保管する際に気をつけることや金庫の選び方などを解説していきます。これから金を購入する方や、今保有している金の保管方法を再検討したいという方もぜひ参考にしてみてください。
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金の保管方法の種類と特徴
金の保管方法の種類は主に
・貸金庫
・貴金属保管サービス
・純金積立
・自宅保管
の4つがあります。それぞれの特徴やメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。
保管方法①|貸金庫を借りて保管する
貸金庫は、銀行や信用金庫などの金融機関が提供しているサービスです。大量の金や金以外の宝飾品や有価証券等重要なものを保管したい方におすすめです。
貸金庫のメリットは、非常に高いセキュリティ環境で金を保管できることです。金融機関という性質上、防犯対策は万全で盗難のリスクは極めて少ないと言えます。災害にも強い構造となっているため、地震や火災で物品が消失、損壊するリスクも極めて低いです。
デメリットは、月3,000円程度の費用がかかることです。また、本人または代理人しか引き出せないため、家族でもあらかじめ代理人登録をする必要があります。介護や相続の際に、引き出しが困難になる可能性もあるため注意が必要です。
保管方法②|貴金属保管サービスを利用する
貴金属保管サービスとは、金を取り扱っている専門業者が購入した金を保管してくれるサービスのことです。金の購入後すぐに金を安全に保管したい方におすすめです。
メリットは、金を持ち歩くことなく預けられるため、移動時の手間や紛失リスクをなくせる点です。また、貸金庫と比べると価格が安いのも魅力で、業者によっては保管料が無料のところもあります。
デメリットは、あくまでも業者が行うサービスの一貫のため、金以外の有価証券や宝飾品などは預けることができません。また、別のところで購入した金を預ける場合、別途手数料が発生します。契約期間が決められていることも多いため、中途解約がしにくい、契約終了後の保管方法を考える必要があります。
保管方法③|純金積立を利用する
純金積立は、毎月一定量の金を購入し続けることで資産を築く、現物投資の一つです。積立方法は購入金額を決める「定額積立」と購入量を決める「定量積立」の2種類があります。コツコツ資産を積み立てていきたい方におすすめの方法です。
メリットは、手元に金を置いておく必要がなく、各金融機関で安全に保管されている点です。また少量から購入できるため、大金を準備する必要がなく気軽に始めることができる点も魅力です。
デメリットは、取引に手数料がかかる点です。手数料は購入金額の数%と単体では大きくありませんが、長期間払い続ける場合は負担が大きくなります。
また純金積立には、消費寄託と混合寄託という2つの保管方法があります。
消費寄託(しょうひきたく)
消費寄託とは購入した金の所有権を運営会社が持つ契約形態です。金の運用を運営会社に任せることになりますが、預けた金の返還請求はいつでも行うことができます。
この場合、生じた利益を受け取れる点がメリットとなります。また、保管手数料が抑えられる点も魅力です。保管料が無料のところも多く、コストを抑えて金を保有できます。一方、運営会社が倒産した場合、預けた金が返ってこないリスクがあります。所有権はあくまでも運営会社が持っているため、返還を要求することができないのです。
こういったデメリットがあるため、消費寄託を選ぶ際には運営会社を事前にしっかりと調べ、信用あるところを選ぶ必要があります。
混合寄託(こんごうきたく)
混合寄託は、所有権を自身で持ったまま金を預ける方法です。金の所有権を自身で持っているため、運営会社が倒産しても返還を要求すれば、金を取り戻せるのがメリットです。しかし一方で、運営会社の専用金庫で保管するため、預けている金の量や期間に応じて保管手数料を支払わなければいけません。この手数料は、消費寄託よりも高いためコストがかかる点がデメリットと言えるでしょう。
消費寄託は手数料が低い一方で、倒産時に返ってこないリスクがあり、混合寄託は倒産時でも返ってくる安心がある一方、手数料が高いという特徴があります。それぞれのメリット・デメリットを比べて見て、自分にあっている方を選択すると良いでしょう。
保管方法④|自宅で保管する
自宅で金を保管する方法もあります。自宅で保管すれば、いつでも金を眺めることができますし、いつでも好きなタイミングで現金化できます。金を保有しているという実感を得たいという方におすすめです。
自宅で保管する場合、金庫で保管する、飾るといった方法があります。金庫であれば、盗難や災害から守ることができ、金以外の重要な品物も合わせて保管できます。
金貨やゴールドのオブジェなど、デザイン性が高い品物の場合、自宅に飾ることもできますが、よほど自宅のセキュリティ設備がしっかりしていない限り、おすすめできません。とくに資産として金を保有したいという方は、専用の家庭用金庫を保有して保管するようにしましょう。
家庭用金庫の選び方とポイント3選
家庭用金庫は、サイズや防犯設備、コストなどでさまざまな種類があります。防盗金庫は30~100万円が一般的ですが、なかには10万円程度で購入できるものもあります。ここでは家庭用金庫の選び方を3つご紹介します。
用途にあわせて据え置き型か手提げ型か選ぶ
家庭用金庫には、据え置き型と手提げ型の2つの種類があります。据え置き型はセキュリティが強固ですが、重量があり金庫を持ち運ぶことは困難と言う特徴があります。一方手提げ型は、持ち運びができるため緊急時に持ち出しできますが、セキュリティが弱いのがデメリットです。
金を保管するのであれば、据え置き型がおすすめです。据え置き型であれば、盗まれるリスクを低減できるだけでなく、火事や災害の際にも破損や消失のリスクを低減できます。また、金以外の重要な書類や通帳や印鑑、写真やデータなど大事なものをまとめて保管することが可能です。ただし、万が一の場合でも持っていけないため、耐火・耐水性がしっかりしたものを選ぶようにしましょう。
防盗性・耐火性・耐水性をチェックする
耐火性能は、JIS(日本産業規格)によって0.5時間、1時間、2時間、3時間、4時間、5つの火災に耐えられる時間で種類が分けられています。令和3年度の消防白書によると、建物火災の発生件数の半分以上が鎮火までに90分以上かかっているため、2時間以上のものがおすすめです。
また、耐水性も重要なポイントです。津波や川の氾濫といった被害の他に、ゲリラ豪雨による浸水などのリスクにも備える必要があります。耐水金庫と謳っているものは、実験で金庫を水中に沈めて庫内に浸水しなかったものです。
防盗金庫は、溶断や工具による破壊実験を行い、15分、30分、60分の3種類に分けられています。15分以上でも防盗性は高いと言えるでしょう。
防犯レベルに応じてロックの種類を選ぶ
家庭用金庫のロックは、「ダイヤル式」「テンキー式」「シリンダー錠」などの種類があります。ロックの種類に応じてセキュリティレベルは変わってくるため、求める防犯レベルに応じて選ぶと良いでしょう。また、1つより異なる2つのロック方式を組み合わせているほうが、セキュリティは高くなります。
ロックの種類 | 特徴 | セキュリティレベル |
シリンダー錠(鍵タイプ) | 鍵があれば容易に開けられる | ✰ |
カード式 | カードがあれば容易に開けられる | ✰ |
ダイヤル式(数字を合わせるタイプ) | ダイヤルを回して3~4桁の数字を合わせる | ✰✰ |
ダイヤル式(ダイヤルを回すタイプ) | 左右交互にダイヤルを回して数字を合わせる | ✰✰✰ |
テンキー式 | 暗証番号を覚える必要がある | ✰✰✰ |
生体認証式 | セキュリティレベルは高いが高コスト | ✰✰✰ |
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金を保管する時の注意点とは?
自宅で金を保管する場合、金ならではの注意点に気をつけなければいけません。ここでは自宅で金を保管するときの注意点を2つご紹介します。
タンスや引き出し、床下で保管しない
「自宅で金を保管する」という方で多いのが、金庫ではなくタンスや引き出し、冷蔵庫、床下などに保管するという方です。これは絶対におすすめできません。場所が特定されやすく、盗難のリスクが非常に高いのはもちろん、火事や災害などの万が一の場合、消失・破損してしまいます。また、保管場所によっては金が劣化してしまうリスクもあります。
自宅で金を保管するのであれば、家庭用金庫で保管するようにしましょう。サイズやセキュリティレベルに応じて、さまざまな種類が販売されているため、家庭用金庫の選び方で紹介したポイントをチェックして、自分に最適な金庫を選ぶとよいでしょう。
重量に注意する
家庭用金庫では重量がある据え置き型が、セキュリティレベルが高くおすすめだと述べました。しかしあまりにも重い金庫を選ぶと、セキュリティレベルは高いものの、床が抜けてしまうリスクが発生します。金庫自体の重さだけでなく、中にいれる金の重量も考慮する必要があります。金のインゴットのような製品であれば、金庫の中にたくさん入れてしまうとかなりの重量になってしまいます。
とくに自宅の築年数が高い場合や、木造住宅などの場合は注意が必要です。保管する場所の床の強度と金庫自体の重量、そして保管する金の重量を考えておかなければいけません。場合によっては、分散して保管する対応も検討しなければいけません。
種類別|金製品の正しい保管方法について
金製品と一口に言っても、インゴットやアクセサリー、金貨などさまざまな種類があります。そのため、それぞれのアイテムに応じた最適な保管を心がける必要があります。ここでは種類別に金製品の正しい保管方法について解説します。
アクセサリー類
金のアクセサリー類を保管するうえで、まず確認しておきたいのはそのアクセサリーの金種です。金のアクセサリー類の錆や変色は、ほとんどが金ではなく一緒に配合されている他の金属が原因です。そのため純金でないかぎり、錆や変色のリスクがあります。しかし純金は柔らかくて加工がしにくいため、純金のアクセサリーと言うものはほとんどありません。
金のアクセサリー類は、そのまま放置すると汗や皮脂などによって錆や変色が起こる可能性があります。必ず使用後は柔らかい布で拭き取って保管するようにしましょう。また、アクセサリー同士がぶつかったりこすれたりすると傷の原因となるため、個別で保管できるアクセサリーボックスがおすすめです。
金インゴット
金のインゴットは、純度が高い金を鋳型に流し込んだ金の塊のことで、金の延べ棒とも言われます。大きな金のインゴットは高額になるため、自宅で保管する際には必ず防盗用の金庫で保管するようにしましょう。また、災害時に備えて耐火・耐水性に優れた金庫を選ぶとよいでしょう。
インゴットを売却した際には、金額によっては確定申告の義務が発生します。この際、インゴットの購入時期に応じて特別優遇措置が適用されます。具体的には5年以上の期間が経過していると、所得税が半分に減額されますが、購入時期が明確である必要があります。そのため、購入時の領収書など購入時期がわかる書類を必ず一緒に保管するようにしましょう。
金貨
金貨は主に、投資目的で鋳造された「地金型金貨」と、コレクター製品として人気が高い「収集型金貨」に分けられます。デザイン性が高く見て楽しめる金貨も多々あります。ただしそういった金貨でも、投資目的や将来高く売りたいのであれば、専用ケースやペーパーコインホルダーを使って保管することをおすすめします。
とくに金の純度が低い金貨は、酸素や水分で劣化してしまうリスクがあります。そのため、できれば空気に触れないように密閉して直射日光が当たらない湿度の低い場所で保管するのがおすすめです。きれいな金貨は何度も眺めたくなりますが、汗や皮脂の付着で酸化してしまうこともあるため、金貨を扱う際には手袋を装着して直接手で触れないようにしましょう。
金製品のことなら須賀質店まで
金の保管・管理が大変だと感じている場合、売却することも一つの方法です。近年は金の相場が上昇しており、売却のタイミングとしては最適と言われています。須賀質店は大正9年に創業した老舗質屋で、数多くの金やプラチナ、貴金属の買取を行ってきました。壊れた金のアクセサリーや金種がわからない製品なども査定しています。「いくらで売れるのか知りたい」「売却しようか迷っている」という方も、まずはお気軽にお問い合わせください。
まとめ
金の保管方法は、貸金庫、貴金属保管サービス、純金積立、自宅の4つがあります。それぞれメリット・デメリットがあるため用途や目的に応じて選びましょう。自宅で保管する場合、据え置き型の家庭用金庫がおすすめです。金庫は、防盗性や耐火性、耐水性、ロックの種類などの観点から選ぶとよいでしょう。金の保管に不安を感じている方は、売却するのも一つの手段です。金の高価買取実績が豊富な須賀質店に、お気軽にご依頼ください。