【事例】精錬を利用して金・プラチナを高価買取 | 高価買取なら創業大正9年の須賀質店
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【事例】精錬を利用して金・プラチナを高価買取

最終更新日 2024年7月3日

2020年8月18日、須賀質店五反田本店でプラチナのブレスレットやネックレス、プラチナ+18金のネックレスやブレスレットを買取しました。今回買取した金やプラチナは、通常の金・プラチナ買取と異なる手法で買取することとなったので、こちらのページでご案内いたします。

 

 

金・プラチナ高価買取

金やプラチナといった貴金属の買取は、その重さによってほぼ買取価格は決まってしまいます。買取価格の計算方法が「貴金属の重さ×当日の貴金属の1gあたりの買取価格」で算出されることになるからです。買取業者によっては、算出される買取価格から手数料などの費用を引いている業者もいるようですが、須賀質店では手数料などの費用を買取価格から差し引くことはありません。

 

 

金やプラチナの商材が、指輪やネックレスといったアクセサリーになっていて、ダイヤモンドや色石などの宝石が付いている場合は、こうした宝石類の価値やアクセサリーとしてのデザイン性を買取価格に上乗せすることになります。それでもポイントになるのは、当日の金やプラチナの1gあたりの買取価格とその商品の重さであることは変わりありません。

 

 

買取価格は重さが重要

もし今回買取した金やプラチナの製品を、通常の買取方法で買取した場合は、下記のような買取価格になったと思われます。しかしお客様と打ち合わせをするなかで、今回の買取には「精錬」という手法を使って買取をしてみようということとなりました。では、その「精錬」を取り入れた買取手法はどういった方法なのでしょうか。

 

 

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通常の相場価格レートは以下の通り(手数料はありません)

 

金属の品名 重量 数量 単価 買取金額
Pt850 プラチナ850 134.6g 2,790円 375,500円
18金 K18+

プラチナ850pt850

103.8g 3,520円 365,300円

精錬とは何をするの?

精錬という言葉は、普段の生活でもたまに耳にする言葉ですよね。そして精錬という漢字を見れば、その意味するところも何となくわかるような気がいたします。金属の純度を引き上げて価値を高めるような作業のようですね。でもセイレンという言葉は精錬もあれば精練もあれば製錬もあって、なかなか意味の深い言葉のようです。この3つのセイレンは、どのような違いがあるのでしょうか。では、3つのセイレンについて簡単に解説いたしましょう!

 

 

精練 しっかりと練習をかさねて、鍛え上げられていること。例えばアマチュアスポーツチームでプロチームに匹敵するくらい実力があるチームに「精練された選手たちですね」とか「プロに負けないような精練されたチームだ」などと称賛されるときに使われる言葉ですね。
製錬 採掘した金属の鉱石に手を加えて不純物を取り除き、目的の金属を取り出して使える状態に整えることを言います。
精錬 採掘した金属の鉱石や混ぜ物が含まれている金属から、不純物を取り除いて、高品質の単一の金属に作りあえること。ひとつ上で解説した「製錬」と意味合いは似ています。そのほかにしっかりと鍛え上げられていること、の意味もあります。

3つのセイレンはこうした違いがあるのです。今回須賀質店で採用した買取の手法であるセイレンは、いろいろな混ぜ物が含まれている金やプラチナを、高品質、高純度の金やプラチナに作り変える作業なので「精練」が正解です。では次に精錬を取り入れた買取手法について、具体的にご案内したいと思います。

 

 

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金やプラチナには何が混ぜられているの?

市場に出回っている金やプラチナの中には、混ぜ物が全く入っていない純金(Au1000 K24)や純プラチナ(Pt1000)といった商材も出回っており、これらはインゴットと呼ばれる金属の塊の形状をしています。インゴットは「延べ棒」とか「ゴールドバー」とも呼ばれており、下記のようなブロック状の形をしています。インゴット、延べ棒、ゴールドバーという名称に似つかわしい、見るからに重々しい姿をしていますね。

 

 

金のインゴット

しかし金やプラチナといった地金類が、金製品、プラチナ製品と呼ばれるジュエリーや宝飾品に加工される過程では、金やプラチナ以外の金属を混ぜることが普通になっています。その理由は純金(Au1000 K24)や純プラチナ(Pt1000)は柔らかく、変形したり傷が付きやすかったりすることや、金の場合金属の中では融点が低く、簡単に溶けてしまうというのがその理由のようです。

 

 

例えば18金と呼ばれる金属の場合、全重量の25%程度が金以外の「割り金」と呼ばれる金属であるといわれています。同じようプラチナPt850の場合であれば、全重量の15%程度がプラチナ以外の割り金と呼ばれる金属です。そして金とプラチナでは、割り金に使われる金属も異なっています。

 

混ぜ合わせる

金の場合、割り金として使われる金属には銅(Cu)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)が多く使われています。そして、金は割り金に使われる金属によって色が変わることも特徴で、銅(Cu)の割合が高い金はピンクゴールド(ローズゴールド)になり、ニッケル(Ni)やパラジウム(Pd)の割合が高い金はホワイトゴールドになるといわれています。

 

 

プラチナの場合、割り金に使われる金属には、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Lu)が良く使われています。パラジウムが混ぜられたプラチナの特徴としては、プラチナの柔らかさを補う硬さが出るが加工しやすさも残る、ルテニウムの場合は割安にプラチナを固くすることができる、イリジウムの場合には硬さと耐食性を増すことが出来るという特徴があります。

 

金の割り金 銅(Cu)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)
プラチナの割り金 パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Lu)

 

 

ポイントはパラジウムの買取価格に有り

前のコーナーで、金とプラチナの「割り金」についてご案内いたしました。ここでポイントになるのは、金もプラチナも割り金に「パラジウム」が使われていることです。パラジウムという金属は、パラジウム単独で宝飾品に使われることはなく、歯科治療の現場で銀歯の混ぜ物として使われたり、自動車の排気ガスを通過させるマフラーという部品の一部に使われて、排気ガス中の有害ガスを除去する触媒に使われたり、コンデンサーという電子部品の製造に使われたりしています。

 

 

このパラジウムという金属の買取価格は2010年ころには1g 2,000円前後で推移していましたが2020年9月1日には1g 8,000円を超える価格にまで上昇してきました。この価格は純金インゴットの買取価格を上回る価格であり、金やプラチナ製品の割り金にパラジウムが含まれているかどうかが、とても注目されるようになったのです。

 

 

パラジウム買取価格グラフ

パラジウムの買取価格の高騰が注目されると、18金やプラチナ850などの買取価格を決める際に重さで1gあたり〇〇〇〇円とするのでなく、金やプラチナとそれ以外の金属に分離して買取価格を決定したほうが高価買取が可能になるのではないかという手法が注目されるようになりました。金もプラチナも割り金にパラジウムが使われているので、パラジウムの割合がある程度の割合を超えると、混ぜられた金属を分離して(←こちらが精錬という作業になります)買取したほうが高い買取価格を期待できるというわけです。

 

 

金やプラチナを精錬するメリット、デメリットは?

それでは、金やプラチナを精錬するメリット、デメリットについて触れてみましょう。金やプラチナの割り金に使われている金属 パラジウムの買取価格レートが、過去と比較して大きく上昇しているので、金やプラチナに混ぜられているパラジウムを精錬して取り出したほうが、高い買取価格を期待できることはお話いたしました。

 

 

プラチナ高価買取

精錬という手間がかかりますが、精錬の作業をすることで高価買取が期待できるのであれば、チャレンジする価値はありますね。でも高価買取が期待できるメリットばかりが目につきますが、逆のデメリットはないのでしょうか?

 

 

精錬することのデメリットは「製錬の作業コスト」があります。製品になっている金やプラチナを精錬して金、プラチナ、パラジウム、銀など、買取可能な金属に分ける作業は、お金がかかる作業なのです。この費用は精錬会社によって異なりますが、金で1gあたり40円程度、パラジウムやプラチナで1gあたり100円程度の費用がかかります。

 

 

精錬はコストがかかる

もうひとつのデメリットとして精錬には1~2週間かかるので、この間に金、プラチナ、パラジウムなどの買取価格レートが下落する可能性があるということです。買取価格レートは上昇することもあれば下落することもある、先行きがわからないものなので、精錬作業中に買取価格レートが大きく下がることがあれば予想通りの価格で売れないことが考えられます。

 

 

もし皆さんが、精錬を取り入れた金やプラチナの買取を考えているのであれば、こうした精錬のメリットとデメリットをよく把握しておくことが大切です。精錬には、作業のコストがかかること、精錬作業には1~2週間かかりこの間に金やプラチナの買取価格レートが下落するリスクがあることを考慮して、いくつかのパターンで試算をして精錬を取り入れるかどうかを判断したほうが良いと思います。

 

 

コストについて考える

パラジウムの含まれている量は、予想できるのか?

こちらのページでは、精錬という手法を使って金やプラチナの割り金からパラジウムを取り出し、通常の金・プラチナの買取ではなく、精錬後の純金(Au1000もちくはK24)や純プラチナ(Pt1000)、純銀(Ag1000)そしてパラジウムを取り出して買取する方法を紹介しました。

 

 

2020年9月現在、パラジウムの買取価格が純金の買取価格に匹敵する買取価格レートになっているので、精錬という手間をかけてコストを負担したとしても、買取の手取りが増える可能性があることもご案内いたしました。しかし精錬にはメリットばかりでなく、精錬の費用が掛かることや、精錬おこなっている期間中に買取相場レートが下落して、思い通りの買取価格にならないデメリットも考えておかなければならなかったですね。

 

 

製錬後のパラジウム、プラチナ

では身の回りにある金やプラチナで、パラジウムの含まれている量というのはある程度わかるものなのでしょうか。パラジウムはプラチナの割り金に使われることが多い金属なので、金よりもプラチナを精錬するほうが入手できる確率は高くなります。須賀質店で今回試した精錬の場合、プラチナ約134.6gからパラジウム約15.5gを取り出すことができたので、割合としては11.5%でした。

 

 

割り金にパラジウムが含まれているということは、プラチナの純度が高い製品ではパラジウムを入手できる確率は減るということになります。極端な例として、割り金が全く含まれていない純プラチナインゴット(Pt1000)の場合、パラジウムは全く含まれていません。

 

 

パラジウムは全く含まれていない

金やプラチナの買取の現場にいると、プラチナの含まれている割合が特に低いプラチナという商品に出くわすことがあります。こうしたプラチナを調査してみるとプラチナ500(Pt500)とかプラチナ700(Pt700)といった表記になるのですが、こうした純度の低いプラチナ製品の場合、割り金の割合が高いのでパラジウムを多く入手できる可能性は高くなります。

 

 

また、現在のプラチナ製品にはPt850、Pt900、Pt950といったPt+プラチナの含まれている割合の数量の刻印が打たれている製品がほとんどです。Ptの後ろの数量を見て、鑑定士はプラチナの割合を判断するのですが、昔のぷらちな製品の中にはこの数量が刻印されていない製品がありました。PmとかPMとかPtといった刻印の製品がけっこう出回っていました。

 

Pm刻印の指輪

このように数字の刻印がない、PmとかPMとかPtといった刻印のプラチナ製品は、プラチナの割合が低い、プラチナの純度の低い製品であることが多いので、逆に言えば割り金の比率が高い製品⇒パラジウムの含まれている可能性が高い製品である場合があります。

 

 

昔のプラチナ製品で、刻印がPmとかPMとかPtなどの数字のないプラチナ製品は、パラジウムの含まれている可能性が高いのであれば、ルーペでじっくり観察したり比重を測定したりして、簡単にパラジウムの量を予想することはできるのでしょうか。こちらについては、今のところ精錬して金属の種類を測定する以外に、パラジウムの量を調べる方法はありません。

 

 

パラジウムの量を調べる

例えば遺品整理などで古いプラチナ製品がたくさん見つかり、PmとかPMとかPtといったプラチナの割合が刻印されていない製品をたくさん見つけたりしたら、純度の低いプラチナ製品の精錬をおこなってパラジウムを取り出す手法を試してみるのは良い方法だと思います。パラジウムを精錬で取り出す買取手法は、必ずうまくゆく買取手法ではなく、純度の低いプラチナ製品をある程度の量入手したときに使える手法であることをご理解いただきたいと思います。

 

 

 

精錬を利用して金・プラチナを高価買取 まとめ

須賀質店五反田本店で、プラチナのブレスレットやネックレス、プラチナ+18金のネックレスやブレスレットを買取した事例をご紹介しました。通常の金やプラチナの買取であれば、お客様からお持ちいただいたネックレス、指輪などの重さを測って、当日の1gあたりの買取価格を掛け合わせて買取金額を算出しています。そして、ダイヤモンドや宝石類がついているのであればこれらの価値を算出し買取価格に上乗せしますし、ジュエリーのデザインとして優れている製品であればデザインの価値を上乗せするようにしています。

 

 

今回須賀質店に買取を依頼されたお客様は、これまでにも何度も須賀質店で金やプラチナの買取をおこない、また質入れでも何度もご利用をいただいているお客様でした。また、金やプラチナの買取の経験も豊富でいろいろな事例をご存じである上に、精錬という手法のメリット、デメリットも十分にご説明のうえにご理解いただけたので、こちらでご紹介したような「精錬を利用してより高い買取価格を狙ってみる」手法を取り入れた次第です。

 

 

そして金やプラチナをお預かりした8月18日から1か月後の9月19日、精錬後の買取価格を調べてみました。通常の買取価格が740,800円、1か月後の精錬後の買取価格が891,700円、差額が150,900円出ましたので、精錬のコストを負担しても買取価格は増えたことになります!

 

【2020年9月19日 須賀質店の金・プラチナ買取価格表】

金属の品名 重量 数量 単価 買取金額
24金インゴット 32.2g 6,760円 511,600円
プラチナ1000インゴット 160.9g 3,180円 217,600円
パラジウム1000インゴット 21.0g 7,720円 162,100円
銀1000インゴット 5.0g 90円 400円

 

もちらん、須賀質店では金やプラチナの買取という仕事は、会社として最も重要な仕事のひとつであるという方針で、以前より積極的に取り組んでいる分野の仕事です。金やプラチナの買取価格については、同業他社よりも高い買取価格を設定し、業界でも最高値水準の買取価格レートを取り入れています。

 

 

皆さんが金やプラチナの買取を考えていて、少しでも高い買取価格で売りたいとお考えであるのであれば、ぜひ須賀質店にご相談してみてください。2020年9月現在、金の買取価格は過去をさかのぼっても最高値水準で推移しています。このまま買取価格レートの高値を更新し続けるかどうかはわかりませんが、ここ数年来で最も高い買取価格であることは間違いありません。金やプラチナを高く売るのであれば、ぜひ須賀質店にご相談になってみてください。

 

【2020年8月18日 須賀質店の金・プラチナ買取価格表】

金属の品名 買取価格 金属の品名 買取価格
24金インゴット 7,010円 プラチナ1000インゴット 3,340円
24金 Au1000 6,810円 プラチナ1000 3,240円
22金 Au916 6,180円 プラチナ950 3,070円
20金 Au833 5,640円 プラチナ900 2,950円
18金 Au750 5,200円 プラチナ850 2,790円
14金 Au583 3,850円

 

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この記事を書いた人
須賀兼一
代表取締役
代表鑑定士。会社員経験後、実家で質業の経験を積み、平成16年4月より須賀質店の代表取締役を務めています。全国のオークション市場に出入りし、最新の商品相場と流行商品の情報を収集しながら、高価買取を実現するためのノウハウをわかりやすく解説、説明してしています。