金購入の注意点を徹底解説!主な方法やメリット・デメリットも紹介!
世界的な経済や社会状況の不安定さから金の相場が上昇しており、2023年の9月には24金の1gあたりの価格が1万円を超えています。このような高騰から金を安全資産として購入したいと考える方もいらっしゃるでしょう。しかし実際に金を購入する際には、いくつか気をつけるべきポイントがあります。そこで今回は、金購入時の注意点や、メリット・デメリットを老舗質屋で金のプロである須賀質店が解説していきます。
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金購入の主な方法とは?
まずは金を購入する方法からご紹介します。金購入には主に4つの方法があります。
金地金(インゴット)・金貨の現物購入
金を購入する方法の1つ目は、現物を購入することです。金の現物は、金貨や金地金(インゴット)などの種類があります。金の現物は、貴金属専門店や地金商、証券会社、百貨店などで購入でき、店舗だけでなくインターネットで購入することも可能です。また、金貨には収集型金貨と地金型金貨がありますが、投資目的であれば地金型金貨がおすすめです。
現物購入のメリットは、スムーズに換金できることや手元に置けることがあります。ただし保管する場所とコストが必要、盗難リスクがある、地金価格に加えて加工やデザイン価格が上乗せされているなどのデメリットがあります。
金投資信託
金投資信託とは、金に関連する金融商品を含む投資信託、金価格への連動を目指して運用されている投資信託のことです。投資信託は、投資のプロであるファンドマネージャーに運用を任せて、複数の資産に分散投資できる金融商品です。金投資信託は金価格に連動するため、損益も金価格に連動する傾向があります。
金投資信託のメリットは、小額から投資できること。証券会社や銀行などで購入できるため、気軽に始めやすいのも魅力です。デメリットは現物を引き出せない、保有中に「投資信託報酬」という手数料がかかる点です。
金ETF
ETFは、株式市場に上場している上場投資信託といわれる投資信託です。金の価格に連動するように設計されている点は、金投資信託と同じですが、1日1回しか価格が見直されない金投資信託と違い、金ETFでは株式のように市場価格で、リアルタイムで取引できる特徴があります。このような特徴から、ある程度投資経験がある方におすすめできる投資方法です。
メリットは、投資信託と比べて保有中にかかる運用管理費用が低い点です。デメリットは、金投資信託と同じく現物を引き出せないこと、手数料がかかる点です。
純金積立
純金積立とは、毎月少額ずつ積み立てて金を購入していく投資方法です。毎月一定金額の金を購入する定額積立と、毎月一定量の金を購入する定量積立の2つがあります。定額積立は、市場価格に応じて購入量が変わり、定量積立は市場価格によって購入金額が変わります。積み立てした金は、現金で引き出すか金の現物での引き出し、またはジュエリーなどへの交換も可能です。
純金積立のメリットは、少額で始められる、保管コストをかけずに金投資ができる、現物を引き出すことができる点です。デメリットとして、手数料がかかる点が挙げられます。
金購入の魅力・メリットは?
続いて、金購入ならではの魅力・メリットをご紹介します。
世界共通の価値がある
金は、株式や国ごとの貨幣とは異なり、世界各国で共通して価値が認められています。金の埋蔵量には限りがあり、その希少性の高さと美しさは昔から変わらず、依然として価値は下がっていません。むしろ近年は、投資としての人気が高まっているため価格は上がり続けています。それは日本だけでなく世界中で共通しています。世界中どこでも換金できる点は大きな魅力と言えるでしょう。
安全性・信頼性が高い
金は他の投資方法と比べると、安全性・信頼性が高いと言われています。株式や債券などの投資方法は、企業の経営状況や災害や紛争によって価値が大きく下落するリスクがあります。しかし金は、上記で述べた通り世界共通の価値があり、その希少性から価値が暴落することはほとんど考えられません。また、実物がない株式や債券とは違い、金は「実物資産」です。
金のように国や企業の信用状況に影響されにくいものを、「信用リスクが低い」といいます。
インフレでも価格が安定している
インフレとは、物価が上がり貨幣の価値が下がることです。株式や債券は、インフレの影響を受けやすいですが、金は影響を受けにくく、むしろインフレ時は価値が上がる傾向にあります。そのため、インフレに強い安全資産として需要が高まり、価格が上昇します。
また、金の価格は経済や社会情勢が悪化した際にも、価格が高くなる傾向があります。こういったことから、投資のバランスを取るために資産や投資の何割かを金で保有するという方も多くいらっしゃいます。
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金購入のデメリット・注意点はある?
金購入には、メリットだけでなくデメリットもあります。ここではデメリット・注意点をご紹介します。
利息・配当がない
金は安全資産として魅力ですが、保有していたとしても株式や債権のように利息や配当が発生しません。仮に長期的に保有していたとしても利息・配当は発生しないため、インカムゲインを求める方は、株式や債権、不動産などの資産を同時に保有する必要があります。
金はその性質上、売却した際に初めて利益が発生します。しかし金の価値は相場で変動しているため、売却するにはタイミングを見極める必要があります。
手数料・税金がかかる
金を購入するには、手数料や税金が発生することも念頭に置かなければいけません。金貨や金地金の現物購入は、各種手数料が発生します。こちらは購入する量や購入元により様々です。また金投資信託や金ETF、純金積立の場合も同じく各種手数料が発生します。
また、購入時だけでなく売却時には譲渡所得税が発生するため注意が必要です。ただし50万円の特別控除や、5年以上の保有で課税額が減税される措置もあるため、あらかじめ調べておきましょう。
盗難・紛失リスクがある
金を現物で保有する場合、保管場所や方法をあらかじめ考えておかなければいけません。金という性質上、乱雑に保管してしまうと盗難や紛失のリスクがあります。せっかくの資産をそんな形で失うのは、非常にもったいないことです。現物で保管するのであれば、専用の金庫を購入する、貸金庫に預けるといった選択を考える必要があります。しかしこういった方法でも、保管する場所やコストがかかるため、金保有の利益とコストのバランスを考えておきましょう。
為替相場に左右される
金購入は為替相場に価格が左右されるため、注意が必要です。なぜなら、金購入は米ドルでの取引が一般的ですが、日本で購入する場合は円建てとなるためです。
金購入の最適なタイミングは、円高ドル安の時期とされています。ドルの価値が下がることで、金を多く購入できます。反対に円安ドル高の時期は、ドルの価値が上がっているため金購入の量が減ってしまいます。円安ドル高のときには、金を売却するのに最適と言えるでしょう。
金貨の種類を確認する
金貨を現物で購入する場合に気をつけたいのが、金貨の種類です。金貨には大きく「地金型」と「収集型」の2種類がありますが、投資に向いているのは、地金型です。地金型は、金の相場に連動して価格が変わりますが、収集型は希少性やコレクターの需要に応じて価格が変わり、予測が難しいとされています。
また、金貨の種類は国や金種、デザインなど種類が豊富なため、あらかじめしっかりと調べてから購入するようにしましょう。
業者によって手数料が異なる
金購入にはいくつか方法がありますが、どれも手数料がかかり業者によってその価格は変わってきます。インゴット購入時のバーチャージや、投資信託やETF、純金積立の手数料は積み重なると価格差は大きくなります。
手数料を調べずに業者を選んでしまうと、予算のオーバーや予定したよりも利益が減る、赤字になるといったリスクが発生してしまいます。そのため、必ず各業者の手数料を調べ比較するようにしましょう。
金投資方法別で見る注意点
最後に、金投資方法別による注意点を見ていきましょう。
1: 純金積立
純金積立で購入する場合の注意点は、売買時の手数料や年会費、保管料などを事前に確認しておくことです。業者によって、手数料の名目やパーセンテージは異なります。各業者の手数料を比較して選ぶようにしましょう。
2:金ETF・金投資信託
金ETF、金投資信託で購入する場合の注意点は、金融商品によって手数料が高いものがあるため、購入前にきちんと調べることです。また、こちらも購入・売却時には手数料がかかるため、その費用も調べておく必要があります。
3:金地金・金貨
金地金・金貨で購入する場合の注意点は、盗難や紛失のリスクに備えることです。保管する場所はあるか、金に投資する金額とかかるコストは見合うものかをあらかじめ考えておきましょう。金貨の場合、投資目的であれば地金型金貨であるかもチェックする必要があります。また、金貨は偽物も多いため信頼できるところで買うようにしましょう。
4:金先物取引
金の先物取引の注意点は、投資経験が豊富な方でない限り、手を出さないようにすることです。金の先物取引は、ハイリスク・ハイリターンな方法であるため、市場の予測を見誤ると大きな損失を被る危険があります。そのため、投資経験が豊富で、売却の見極めに自身がある方や、リスクをとっても大きなリターンを得たいという方以外はおすすめできません。
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まとめ
金購入時の注意点を解説しました。金は安全資産であり、世界共通の価値があるなどの魅力があります。一方で、手数料がかかる、利息・配当がない、為替相場に左右されるなどのデメリットもあります。金購入には現物購入や金投資信託、金ETF、純金積立などの方法があります。購入方法によって注意するべきポイントも異なるため、金購入前に確認しておきましょう。
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