偽物の時計(コピー時計)の見分け方とは?ネットで中古を購入する際のポイントなども
時計好きならいつかは手に入れてみたい高級時計。正規店以外にも、中古品や並行輸入をはじめ、ネットオークションやオンラインサイトなど、以前より手軽に手に入れる方法が増えました。しかし、インターネット上にはスーパーコピーやN級品と呼ばれる偽物の時計が多く出回っているため、注意が必要です。今回は、コピー時計の見分け方やネットで中古時計を購入する際の注意点をご紹介します。
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目次
1偽物の時計(コピー時計)の売買は違法?
結論から言えば、偽物の時計(コピー時計)だと知りながら売却した場合、違法になります。偽物の時計(コピー時計)を個人の使用を目的として購入するのは違法ではありません。
しかし2022年3月に改正された関税法によって、「個人の使用を目的とした輸入」であっても、商標権・意匠権を侵害していると判定された製品は輸入できなくなりました。つまり、海外のサイトで偽物の時計(コピー時計)を購入しても税関で差し止められてしまい、没収されてしまいます。
このようなサイトでは事前に金銭を支払ってから発送されるため、「お金を支払ったのに商品が届かない」という状態になってしまいます。こうした返金手続きには、税関は関与しないため自分で返金を交渉する必要があります。当然ですが、このようなサイトで返金されることは0に等しいでしょう。
また、購入時に入力した個人情報の悪用・流用されるリスクや、そもそも商品を発送しない詐欺被害に遭うリスクもあります。こうしたトラブルに巻きこまれないためにも、偽物の時計(コピー時計)は購入しないほうが良いでしょう。
2偽物の時計(コピー時計)の見分け方とは?
偽物の時計(コピー時計)と称しているサイトがある一方、「本物」と銘打って偽物を販売しているさらに悪質な業者も存在しています。ここでは本物と偽物の見分け方をご紹介します。
2.1ダイヤル(文字盤)の仕上げ
偽物の時計(コピー時計)のダイヤル(文字盤)は、細かい部分の仕上げが雑になっている物があります。時計の顔となる文字盤は、インデックスや針、ブランドロゴなど、繊細な作業が求められるパーツが多数あります。
本物の時計では、そうした細かな部分まで丁寧に仕上げられていますが、偽物ではそのような技術がないため、粗が出やすくなっています。プリントされている文字が薄かったりかすれていたり、バランスが悪いといった場合は偽物の可能性があります。
また、針の留め部分やインダイヤルの配置場所などにも粗さは出てきます。ブランドやモデルによってデザインは異なるため、持っている時計と同じ型番の画像を探して見比べてみるとわかりやすいでしょう。
2.2シリアルナンバーの有無
高級時計には、それぞれ個体毎のシリアルナンバーが記載されている商品が多く、偽物の時計(コピー時計)にはシリアルナンバーがなかったり、あってもデタラメな番号が書いてあったりします。シリアルナンバーの位置は、ブランドやモデルによって異なりますが、多くは裏蓋やラグの裏側にあります。またロレックスは古いモデルは、6時位置のブレスレットを外した位置、新しいモデルではベゼルの内側に刻印されています。
偽物は、シリアルナンバーの刻印が薄くなってしまっていたり、刻印の方法が正規品と違ってしまっている場合があります。刻印をよく見ると点がたくさんあるような刻印方法の場合は、レーザーで刻印されている可能性が高く、これはコピー時計によく見られる特徴の一つです。本物にレーザー刻印が一切無いわけではありませんが、本物の時計ではしっかりと彫り込んであるため、このようにはなりません。
またリシュモングループのブランドでは、時計をオンライン登録することで、延長保証するサービスがあります。ここでシリアルナンバーを入力すると、偽物では別のモデルが表示されたり、時計が存在しなかったりします。こうしたサービスを利用してみるのも一つの手段と言えるでしょう。
2.3ケース・ブレスレットの形状・素材
本物の時計と偽物の時計では、ケース・ブレスレットの形状や素材が異なります。本物の時計では、ケースやブレスレットは使う人の肌に触れる場所であるため、肌触りやブレスレットの着脱のしやすさなどにも配慮されて作られています。
とくに、ブレスレットは面取りがしっかりとされており、肌に当たっても痛くないように工夫されています。一方、偽物ではそういった配慮はされていないため、触った感触がチクチクしたり、痛かったりします。
また、ブレスレットのネジ穴部分にも粗が出やすく、本物ではネジとネジ穴がしっかりとはまっていますが、偽物ではネジとネジ穴の間に隙間ができています。
素材も、本物と偽物では違っています。ゴールド素材を使ったものはわかりやすいですが、ステンレスでは少しわかりにくいかもしれません。
しかし高級時計では質の良いステンレスを使っており、偽物の時計で使われている質の低いステンレスとは異なります。またゴールド素材のモデルでは、本物ではずっしりとした重さがありますが、偽物の場合ゴールドを使用していない事が多いので、そのような重量感はありません。
2.4風防はガラスかプラスチックか
現在、販売されている高級時計のほとんどは、サファイアクリスタルガラスというガラス風防を採用しています。アンティーク時計ではプラスチック風防を採用している物が多いのですが、現行モデルではあまりプラスチック風防は使われていません。そのため、新しいモデルにも関わらず、プラスチック風防を使っている時計は、偽物の可能性が高いと言えます。
プラスチックとサファイアクリスタルガラスの見分け方は、指で触ったときの温度。サファイアクリスタルガラスは、触ったときにひんやりとした感触がしますが、プラスチックはそういった感触はありません。
ただし、N級品と呼ばれるスーパーコピーでは、サファイアクリスタルガラスが使われており、これだけで本物と偽物を判断するのは難しく、他の見分け方と組み合わせて判断する必要があります。
2.5ムーブメント(秒針の動き・音、日付の変わり方など)
時計の動力源であるムーブメントも重要な判別ポイントです。時計に搭載されているムーブメントと、実際にそのモデルが搭載しているムーブメントが合っているかを確認しましょう。本来、機械式ムーブメントを搭載していないといけないのに、安価なクォーツムーブメントを搭載している粗悪品も存在します。
機械式ムーブメントとクォーツムーブメントの見分け方は、次の3つです。
・秒針で見分ける
・リューズの巻き上げ
・時計を振って内部の音を確認してみる
機械式時計の場合、秒針が連続的に動いていますが、クォーツムーブメントの場合、1秒ずつ「カチッカチッ」と動きます。また、リューズを巻き上げると機械式時計はゼンマイが巻き上がる感触がありますが、クォーツムーブメントはそれがありません。同様に、時計を振ると自動巻ムーブメントではローターが回る音がします。
ただし、スーパーコピーではムーブメントも本物に合わせたものにしています。シースルーバックになっているモデルでは、実物の時計と同じ型番の時計のムーブメントを見比べてみるとわかりやすいでしょう。
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3中古時計をネットで購入する際のポイント
偽物の時計の多くは、インターネット上で販売されています。ネットでの購入は簡単かつお得ですが、気をつけなければ偽物を買ってしまうリスクがあります。ここでは安全に中古時計を入手するポイントをご紹介します。
3.1市場価格に比べてお得そうなものは疑う
ほしい時計がある場合は、複数のサイトを調べて相場がどのくらいなのか調べてみましょう。店舗によって価格の差はありますが、何の理由もないのに相場よりも安い時計は、偽物である可能性が高いです。
3.2画像検索で買いたい時計と同じ画像が見つからなければやめる
サイトで好みの時計を見つけたら、グーグルの画像検索を使って調べてみましょう。同じ画像がない場合、存在しないモデル=偽物と言えます。
3.3箱・保証書が付いているからと、簡単に飛びつかない
昔のコピー時計であれば、箱や保証書がついていない、時計単体で販売されているのが基本でした。そのため、箱や保証書がついていると安心してすぐに購入したくなりますが、現在のコピー時計には箱や保証書もコピーした製品が数多く出回っています。
こうした付属品は、プロの鑑定士が見ればひと目で偽物であると分かる粗悪な作りとなっているため、本物の箱や付属品の画像を探してみて、見比べてみるとわかりやすいでしょう。
3.4怪しいと思ったら、時計に詳しい人に聞いてみる
インターネットは、コピー時計が販売されているといった負の側面もありますが、その一方で時計に詳しい人たちに簡単に意見が聞ける、という良い側面もあります。SNSや時計愛好家が集まるコミュニティで、怪しいと感じている時計の画像やURLなどを貼って聞いてみると、有益な情報を得られるでしょう。
3.5オークションサイト・フリマアプリはできる限り使わない
コピー時計は、偽物を販売している業者のサイトはもちろん、オークションサイトやフリマアプリで多く出回っています。こうしたところで偽物を購入しても、プラットフォーム側は対応してくれません。当然、販売側は偽物であることを認めないため、購入者が一方的に損をする形となってしまいます。
そのため、お買い得であってもこのようなプラットフォームは使わず、信頼できる店舗で購入するようにしましょう。
4高級ブランド腕時計を安全かつ安く買う方法
安全かつ安く高級時計を買うには、以下の2つの方法がおすすめです。
・中古品を購入する
・並行輸入品を購入する
それぞれのメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。
4.1中古品を購入する
中古品は、高級ブランド時計をお得に購入することができます。「高級時計は一生物」と言われるように、適切なメンテナンスをしていれば長い期間使い続けられます。
時計を専門に扱っている店舗では外装研磨や機械点検を徹底しているため、「中古=汚い」というイメージとは異なる、状態の良い時計も入手できるでしょう。
中古時計のメリットは、生産が終了になった廃盤製品であっても購入できることにあります。正規店では購入できない時計を入手できるため、時計の選択肢も広がります。
また、中古品は新品では手が届かない価格の時計も視野に入れることができます。ロレックスをはじめとした一部価格が高騰しているモデルもありますが、カルティエやタグホイヤー、IWC、フランクミュラーなどのモデルでは中古品ではお得に購入できます。
一方デメリットは、時計の状態やアフターサービスなど、店舗によって差があるため、購入する店舗は慎重に選ぶ必要がある点です。
4.2並行輸入品を購入する
並行輸入品は、メーカーと代理店契約を結ばず、海外の正規店や中間卸売業者から商品を買い付けて販売されているものを指します。正規品とは違い、メーカーと販売店契約を結んでいるわけではないため、定価販売の義務がなく、自由な価格設定ができます。
そのため新品であるにも関わらず、定価よりも安く購入することができるのです。これが並行輸入品の大きなメリットです。また、日本未発売の海外限定モデルや生産終了品など、正規店では入手が困難・不可能なモデルもラインナップされていることもあります。
デメリットとしては、店舗によってサービスの品質に差があることです。そのため、優良な並行輸入店を見極めることが重要です。また、一部のブランドでは並行輸入品の修理を制限するといった「並行差別」を行っているところもあります。そのため、独自のアフターケアを行っている並行輸入店を選ぶようにしましょう。
並行輸入品は正規品より高い?
並行輸入品の多くは、定価よりも安くなるとお伝えしましたが、中には定価よりも高くなるものもあります。代表的なのが、ロレックスやパテックフィリップ、オーデマピゲなどのブランド。これらのブランドの時計は、人気が高いのに対し、商品の供給が追いついていません。定価での販売義務がない分、需要が高ければその分、販売価格は高くなります。しかしこうしたブランドやモデル以外は、定価よりも安い場合がほとんどです。
並行輸入ルートは違法なルートなの?
正規品ではない=違法なルートではないか?と疑問を抱く方もいらっしゃるようですが、並行輸入ルートは違法ではなく、日本では法律で認められている流通経路の一つです。
国によっては、並行輸入が認められていない国もありますが、日本では昭和45年の判決をきっかけに、並行輸入が認められるようになりました。世界的に見ても、日本の並行輸入店はサービスに優れ信頼性が高いことから国外の方からも大きな信頼を獲得しています。
安心な並行輸入店の見極め方
並行輸入店と一口に言っても、さまざまな店舗があるため優良な店舗を見極める必要があります。優良な店舗には、次のような特徴があります。
・実績のある老舗店
・実店舗がある
・独自のアフターサービスがある
実績のある老舗店舗は、信頼できる輸入元とのコネクションを築く必要があります。そのため、流通経路の信頼性が高くレアモデルが入荷する可能性があるなど、他店にはない魅力があります。
また、実物を手にとって見られる実店舗があるのも重要なポイントです。近年ではオンライン専門店も増えましたが、信頼感という点では実店舗が圧倒的と言えるでしょう。
最後にもっとも重要なのが、アフターサービスです。時計は購入して終わりではなく、オーバーホールや電池交換なども必要です。優良な並行輸入店では、独自のアフターサービスをつけることで、こうしたメンテナンスにも対応しています。
5中古時計の査定・売買なら”須賀質店”
須賀質店は、大正9年に東京五反田で創業した老舗質屋です。創業から100年以上の歴史の中で培った真贋力(本物と偽物を見分ける力)に自信があります。ロレックスやオメガなどの人気ブランドをはじめ、数多くの時計ブランドを買取してきましたので、お気軽に査定依頼いただければと思います。
また、来店していただいた方に安心していただけるように、鑑定士の服装や言葉遣いなど、厳しく指導しています。査定もバックヤードではなく、すべてお客様の目の前で行います。「他店で査定に不安を感じた」「初めて査定を依頼する」という方も安心してご利用ください。
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6まとめ
偽物の時計(コピー時計)の見分け方や、ネットでお得に高級時計を購入する際の注意点などを解説しました。本物に精巧に似せたスーパーコピーと呼ばれる偽物もありますが、ディティールを見ると粗が散見されるため、本物の画像と見比べてみるとわかりやすいでしょう。また、フリマアプリやネットオークションは、偽物の数が多いため利用はおすすめできません。お得に高級時計を入手するには、中古品や並行輸入品を選択すると良いでしょう。